一昨年、石川直樹さん主催の写真学校「フォトアーキペラゴ」で一緒だった前川朋子さんの写真集を制作しました。

いわゆる商業目的のアートディレクションやデザインと違い、作家作品である写真集の編集や装丁では、作家さん個人のプライバシーや精神面にまでかなり踏み込んで、一緒に考え、一緒にもがき、一緒に歩むような作業が必要になります。

自分の写真集を編むのなら自己との対話を心の中ですれば良いのですが、人様の写真集なので、まず波長をチューニングして、言葉とイメージを翻訳していくような、とても脳ミソに効く時間でした。

前川さんの写真にはいつも心を動かされます。それがなぜなのか言語化できないのですが。

仕様はA4変形の44P。
表紙は薄いグレーのNTラシャに被写体である息子さんの手書き文字のみ。
中面は写真が素直に目に飛び込むような自然なレイアウトと用紙で仕上げました。

瀬戸内アートブックフェア2020 ZINE AWARD 準グランプリ受賞